メディア報道と観光地

テレビの番組でも雑誌の特集でも、旅をテーマにしたものが大流行だ。
旅行ガイドブックでも、もはや写真などが掲載されていないものはない。

私たちが観光地に旅行する際には、事前にその観光地の映像がインプットされている。
ここで問題なのが、そのインプットされているイメージ(映像)だ。テレビでも雑誌でも、例えば風景なら、最高のロケーションで、最高の季節の最高の時間に、腕のいいプロカメラマンが、いい機材で撮影している。
このイメージを頭に入れて、僕たちは観光地に出向く。時として季節はずれで、天気が悪く、人がごった返している時間帯かもしれない。
そしてつぶやく、「何か、想像していたようなところと違うなあ〜」。

宿に着く。ここもテレビの旅番組のイメージが頭に入っている。すなわち、広々とした露天風呂、美人の女将の笑顔、豪華絢爛な食事。
しかし宿は人でごった返していて、女将の姿もわからない状態かもしれない。露天風呂は改修工事中で、食事はテレビで見たのとは違うかもしれない。
そしてつぶやく、「あれ〜、もっといい宿だと思ったけど」。

かような経験は、多かれ少なかれしているのではないだろうか?
最高のものが事前にインプットされているので、現地で感動することが少なくなってはいないだろうか。

私は長期間の旅に出ることが多い。当然有名な観光地に寄ることもあるし、見ず知らずの街に行くこともある。有名な観光地は事前インプットのせいで、(とても美しいのに)あまり感動しないことが多い。
そしてはじめて訪れる、名前も知らないような街や風景に大感動することがある。

昔々、たいていの観光地の情報は人づてに聞くか、活字で読むしかなかった。写真があっても汚い写真か、白黒写真だろう。少ない情報を持って観光地へ行く。そこで見た風景はどんなだったろう。
今はどこの観光地の情報も、きれいな動画・静止画で豊富にある。大量の素晴らしい映像情報を持って観光地へ行く。そしてインプットされている情報と照らしあわせる。つまり確認の旅だ。

一度、事前に映像情報を持たないで、旅に出てみてはいかがだろう?
結構面白い体験ができるかも。